はじめに
人生を変えるには「大きな決断」や「劇的な行動」が必要と思われがちですが、実際には小さな日々の積み重ね、つまり“セルフケア習慣”が最も確実に心と体を整えていく力になります。この記事では、うつ傾向や心の疲れを抱える方にも無理なく取り入れられる、現実的なセルフケアのアイデアを紹介します。
セルフケアとは「自分に小さな親切をすること」
セルフケアというと美容や贅沢と思われがちですが、本質は「自分を人間として大切に扱う」こと。誰かに優しくするように、自分にも小さな親切を届ける。その積み重ねが、自己肯定感や生活の回復力につながっていきます。
無理なく始められるセルフケア習慣リスト
▶ 歩く
- 1分でもOK。外の光や風を感じることは、アルファ感情の復活に結びつきます。「今日も歩こう」という気持ちがあると前向きになれます。これを習慣化すると、落ち込んだ時にも前向きに考えることができます。
▶ 撮る
- ものを撮る、空を撮る。目を通して「これいいな」と思うものに繰り返し親しむことは、自分の感覚を見る習慣になります。別の視野を通して、客観的にものをみて慈しむようになる。
▶ その日の体調をいくつかの言葉で書き残す
- 「あったかい」「むなしい」「しずかな日」など。どんな表現でもOK。
- 言葉にすることで、自分を「解析の対象ではなく」「大切な生物」として探るようになります。自分の感覚をあやふやにすることなく、再認識することができます。
「やった感」より「やさしかった感」
セルフケアは「やるべきこと」ではなく、「自分にとっての優しさ」です。成果や効率ではなく、「これは自分をみてあげる行為だったな」と思えたら、十分なのです。他人のためにするのではなく、自分のためにする行動なのです。
うつ傾向のときは「最小限のケア」が最も意味がある
体が重いとき、動けないとき、それでも「水を飲んだ」「窓を開けた」だけで充分。それは生きる意志の表れであり、次の一歩につながるかけがえのないケアです。
生きているっていう実感を自分にさせてあげる必要があります。
おわりに
毎日うまくいかなくても、「今日もダメだったな」と感じても、それでも「何かひとつでも自分を大切にする行動をした」という事実が、やがて人生を静かに変えていきます。
セルフケアは、自分への敬意を取り戻す行動です。誰かに気づかれなくても、自分が見ている。そこから人生は変わり始めます。